07/08/2026
新型コロナに感染すると、体内に潜んでいた種々のウイルスが活性化されて、それが新型コロナ感染症状の悪化や後遺症症状の発現に関係しているのではないかということが、これまでの研究によって示唆されてきましたが、いずれの研究も規模が小さく、調べられた患者数が限られていました。
そこで、アメリカの研究グループが、新型コロナで入院した1,154名の患者について詳細に経時的調査を行い、その結果をNatureオンライン8月5日号に発表しています。
それによると、新型コロナ感染後にはこれまで健常であった人たちの体内で種々のヘルペスウイルス(ex. EBウイルス、サイトメガロウイルス)やアネロウイルスなどの活性化が頻繁に見られるとともに、血中ではウイルス活性化に伴って炎症性サイトカイン濃度が増すなど、様々な二次的変化が見られ、さらに、ウイルス活性化の程度と新型コロナ感染の重症度がよく相関すること、さらに、後遺症の症状発現や持続とも密接な関係があること、などが示されています(https://www.nature.com/articles/s41586-026-10740-z)。そして、この論文がNatureの同じ号のNews欄に大きく紹介されています。
面白いのは、ウイルスによって再活性化のタイミングが違うことで、EBウイルスやアネロウイルスの再活性化は新型コロナ感染の初期から見られ、一方、サイトメガロウイルスや単純ヘルペスウイルスの再活性化は感染から3週間後をピークとして見られることです。そして、驚いたことに、これらのウイルスの再活性化はそれまで健康であった人たちで見られていて、以前から免疫が弱っていたために起きたのではないように見えることです。
ということは、新型コロナ感染自体がこのようなウイルスの再活性化を起こした可能性が高く、しかも、再活性化されているのがEBウイルスやサイトメガロウイルスのような特定の病気と密接な関連を持つウイルスであり、それが新型コロナ感染や後遺症の病状と密接な関連を持つということを考えると、これらの現象は決してたまたま起きたものではなくて、新型コロナの病態形成に深く関連を持っている可能性があります。
さあ、新型コロナのことを良くご存じないまま「このウイルスは単なる風邪ウイルスだ」とか、「大したことのないウイルスだ」と言っておられた方々、どう反応されますか?
新型コロナウイルスが大したことがないように見えるのはうわべだけであって、実際はからだの中に潜んでいる種々のウイルスを活性化させ、いろいろな病気の原因を作り出しているのですよ。これまでも新型コロナ感染後に心筋梗塞や脳卒中などの種々の病気のリスクが上がることがわかっていましたが、こうなると、これらの種々のウイルスの再活性化を防ぐことも新型コロナの治療においては大事なことなのかもしれません。
このように、次々から新しいことがわかってきているのですから、まずはご自分の知識を新たにしたうえで、再度、どのような発言をすべきか、よく考えていただきたいものです。
https://www.nature.com/articles/d41586-026-02443-2
Reactivation of typically harmless anelloviruses, in particular, seems to be linked with developing long COVID, study finds.