救急災害医療研究所

救急災害医療研究所 元消防士の看護師が立ち上げた研究所。防災・減災・危機管理等に関するコンサルティングから医療に関する講義・講習会、イベント救護・旅行添乗まで幅広く相談に対応。詳しくはホームページにて!

29/08/2026

大変ご無沙汰しておりました!

いやはや、春から秋にジャンプしてしまった気分です。暑い夏でしたが、熱い案件と冷たいビールで久しぶりに青春していました。これも各地での出会いと家族の支えがあってこそ、感謝の気持ちを新たに更なる精進をして参ります。

さて、防災の日を間近に訓練の企画立案や計画の見直しに追われていた方も少なくなかったと思います。皆さんは「毎年同じことの繰り返しで…」とお話されますが、その同じことの繰り返しこそが大切なのです。地道な反復訓練は、いざという時に目線とつま先を生存へと導いてくれます。とはいえ、毎年何かしらの変化を求められるのも担当者の苦悩です。それでいて予算はかけられない、だからこそ“現地調達”が当研究所の掲げるテーマのひとつになっています。
防災計画やBCPを策定するにあたり、“稼働量-被災量=継続量”という基本的な考え方は良いと思います。ただし、机上の算段が通用するのは訓練までになります。実際に被災経験をした事業所の中には、事故直前もしくは直後に一旦稼働量を下げておかなければ、二次的なダメージが加わってしまうリスクに気づき、結果としてBCPの発動まで至れなかったというケースもあるようです。具体的に、危険物を自動生産ラインで扱う工場や高度なクリーンルームを有する研究施設等では、無人でも安全なスリープ状態にしてから避難行動に移らなければ、設備の再稼働時に支障をきたすだけではなく、長期的に桁違いな企業損失を発生させてしまう可能性もあります。更には、医療機関の手術室や透析室等でも急には治療を止められない為、避難行動自体に無理が発生したり、集中治療室からは「患者を避難させた方が危険では?」といったリアルな声も挙がっています。
まずは安全にブレーキをかけて稼働速度を落とし、事故をやり過ごして被害の全容を把握してから、二次的なダメージを負わない範囲で、せめて止まらずに事業を継続をさせていく。特にこの国の組織は理念や使命感が優先し、目標を高く掲げ過ぎる傾向があります。他人を救いに行くのは、自分たちをちゃんと救えてからで良いのです。

訓練とは、今日の失敗にこそ価値があり、明日への課題が得られて成功となります。負荷想定を増やしたり予算をかけるのではなく、事業所ごとに現実的な内容へと訓練を変化させていけば、自ずと仲間と職場を守る計画が育っていくのです。

本件に関する詳細及びお問い合わせとご相談は、下記リンクのホームページにて。
https://select-type.com/s/99saigai-medlab
当研究所は、常に備えてお待ちしております。

28/03/2026

大変ご無沙汰しております!

確定申告を終えると、何となく春の訪れを感じる今日この頃。昨年は105件の案件と76件のご相談を受けて、北は青森県から南は宮崎県まで貴重なご縁に恵まれました。人の繋がりに心からの感謝と、多種多様な症例には本当に感動を覚えます。国家試験を受験された皆様も4月からは新たな門出、当研究所も初心を忘れずに精進して参ります。

さて、本年度4月1日より道路交通法の改正により、自転車と自動車の運転に新たな規制が加わります。その一般的な内容については、各所で語られておりますのでここでは触れませんが、緊急自動車を運用する機関からは懸念を感じているという話も耳に届きます。今回の改正で、いわゆる道路交通法第41条の“特例”に変更はありません。しかし、この特例を行使する場である道路環境の変化が、緊急走行時に少なからず影響があると予測し備えているようです。特に公的緊急機関以外の組織では、性善説に偏らない現実的な危険予知訓練が、緊急自動車の運転者に限らず同乗者全員に必要と考えています。
ここで再確認しておきたいのは、前述した特例があっても「安全運転の義務(同法第70条)」は免除されないという事です。新たなルールもまた、事故防止のための安全な方法の基準となるため、緊急走行中であっても周囲に危険を生じさせる行為は許されず、状況に応じた安全な速度と方法での運転は原則です。
緊急自動車がサイレンを鳴らして走行すれば、周囲の車両には大きな緊張を与えます。私自身も出動を重ねる中で、予想外な動きをする車両には何度も遭遇しました。法改正の新年度を機会に、改めて多様な運転者の視点から緊急走行のあり方について再考する意義はあると思います。

話は変わり、同じく本年度4月1日から労働安全衛生法「高年齢労働者の労働災害防止対策」と「治療と仕事の両立に向けた措置」が施行となります。
先ず前者については、高年齢労働者の労働災害を防ぐため、特性に配慮した作業環境の改善や作業管理などで必要な措置を講ずることの努力義務です。実際には国が定めた指針(厚生労働省:エイジフレンドリーガイドライン)に基づき、取組みを行う必要があります。このガイドラインは5つの項目を主としていますが、特に安全衛生教育については十分な時間をかけ、写真や図、映像等文字以外の情報も活用した教育を実施すると共に、再雇用や再就職等で経験のない業種や業務に従事する高年齢労働者には、より丁寧な研修及び訓練を実施するよう具体的に挙げられています。
次に後者ですが、こちらは労働者の治療と仕事の両立を支援するための必要な措置を講じることの努力義務です。いわゆる労働契約法第5条の安全配慮義務を果たすための取組みとなりますが、病名は限定されておらず、就業の継続に配慮が必要なすべての病気が対象になり得るという訳です。少なくとも、相談窓口などの設置が最低限必要となり、病識の理解や周知啓発に向けた研修の実施はもはや必須です。
どちらもプライバシーへの配慮はもちろんの事、その上で疾患の発症と職場環境特有の労働災害とが重複する可能性がある、リスクマネジメント案件となるのです。

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03/12/2025

大変ご無沙汰しております!

朝のゴミ出しで冬に気がつく今日この頃、もう師走ですね。9月で当研究所も5周年を迎えましたが、順調に走り過ぎてしまいました。これからも初心と感謝を忘れずに、日々是精進して参ります。

さて、いきなり労基法改正です。審議会他、膨大な検討資料が厚労省のホームページに重ねられています。来年の通常国会を通れば、2027年には公布及び施行となる可能性もあります。最短で4月と考えれば、準備期間は16ヶ月、この国の全職業が一斉に動くのです。その概要はネット上に溢れていますので、ここでは説明を省きます。
特に、医療施設及び公的緊急機関等で早期に備えておきたいのが、改正後の二次的影響による勤務シフトの変化と、それに伴う人材確保ではないかと予測されます。グレーゾーンの明確化や健康福祉確保義務により、現状のままでは稼働できる人員のマイナス化は想定内です。事業継続のためには、規模の縮小か人員の増加という選択肢になりますが、医療施設や公的緊急機関となると安易に事業規模は変えられず、全体定数のプラス化が求められるという訳です。しかし、これが簡単ではない事も時間を費やす事も、人事や公務を知る者であれば明白なのです。
よって、より質の高い事業継続を望む組織では、既に危機管理部門と人事部門が手を組んで動き始めています。後手の“人員確保”ではなく、先手の“人材確保”のために。

いやいや、まだ先の話では?と思われている事業所は要注意です。
今年5月に改正労働安全衛生法が公布され、年明け4月1日より段階的に施行されていきます。その主な5項目の中で、例えば「高齢者の労働災害防止の推進」という努力義務がありますが、これは今年6月に義務化された熱中症対策の内容とリンクしてきます。60歳以上が対象となり、フリーランスを抱える医療施設や再雇用推進中の公的緊急機関についても、先に策定したマニュアルの変更や追記が必要となるはずです。
その他にも化学物質の自律的管理等々、並行する業務が重なる中で、40年ぶりの大改正がやってきますよ!

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09/08/2025

大変ご無沙汰しております!

いやはや暑い、まるで亜熱帯。車も警告灯で修理、パソコンもエラーで買い替え、エアコンもため息をつくようになり、熱に弱いのは生物だけではなさそうな今日この頃。来月で5周年を迎える当研究所も、冷静に初心を忘れず精進して参ります。

さて、防災の日も間近に迫り、訓練を担当されている皆様のご苦労を察します。ご相談を受けるにあたり「どんな訓練をすれば良いか?」とご質問いただくことが多々ありますが、基本は消防計画・防災計画・非常災害対策計画・避難確保計画・事業継続計画…などなど、まずは義務化された計画書の中で具体的に挙げられている訓練項目をお伝えするようにしております。例えば、消防計画であれば通報・消火・避難の3訓練が基本ルールとなりますので必ず実施し、終了後には報告書まで作成する流れとなります。
これら“何とか計画シリーズ”は、建物の用途や事業規模及び形態によって義務か否かが変わってきますので、ご心配であればお近くの消防署にてご相談いただくことをお勧めします。

ここまできたら、次に進みます。

前述の基本ルールはあくまで包括されたものですので、次の段階では各事業所の重点事項や地域特性を考慮していきます。具体的には、訓練を計画する際に事業所の個別性を想定に加味することで基本ルールに則りつつ、かつ実効性の高いリアリティのある訓練を企画立案してみるというものです。
すでに基本訓練を繰り返し実施してきた事業所であれば、次の訓練を企画立案する際に、通報時に消防へ伝えておくべき事業所特有の付加情報はないだろうか?当該事業所ではどのような火災が起こる可能性があり、何でどのように初期消火すべきか?事業所の敷地内には避難の障害となる施設や環境は存在しないのか?などの訓練想定を、事業所全体ではなく“建物(棟)ごと”に当事者たちで考案してもらい、それを担当者がまとめて文書化と調整及び共有をすれば訓練への参加意識の向上も図ることができます。

さあ、あともうひと息です。

訓練とは『本番では避けたい事態を事前に経験し、対策の機会と猶予を得るための練習。』と事業所内に周知しておくことです。簡単に言えば、もし計画通りにいかず途中で失敗したならば、それこそ訓練の成果として前向きに報告してもらえるよう促します。そして、次の訓練では同じ事態を繰り返さないための方法を日々の業務の中で考える時間を設けて、日常から危機管理を意識できる文化が根付いていくことを期待します。
それを繰り返す中で、計画書はより現実味を帯び、有事にはより多くの人命救助と財産の保護に繋げ、日常の延長線上に災害があるという組織体制に引き続き発展させていきます。

とはいえ、「ゲリラ」や「災害級」といった言葉が定義もなく連呼され、「防災」という言葉も抽象的な正論と共に日々たたみかけられる世の中になりました。防災を担当する皆様には、これらの言葉を聞くだけでも正直ストレスになるという方もおれるのではないかと思料致します。
そこで提案ですが、防災訓練は必ずしも9月1日からの防災週間に実施しなくても良いという考え方は大切です。法規条文では、年に何回以上実施するかの回数は規定されておりますが、その時期までは謳われておりません。事業所の熱中症対策義務化の一環としても、もう少し涼しくなる頃に実施予定時期を変更できるのであれば、熱中症の心配事もひとつ減ると共に、企画立案に追われる時間にもひと息の余裕が生まれます。
さらに、防災関連の起案書がなかなか決裁を得られずにお困りの担当者の方がもしおられましたら、試しに「防災」という言葉を随所で「教育」に置き換えてみるのはいかがでしょうか。実は防災という言葉自体が、もはやネガティブな印象に捉えられてしまうケースが報告されており、改善策として人材育成や研修を含めた教育という表現に置き換えることによって、心証に変化が生まれたり、予算の枠組みにも有利に働く可能性がありますので、おひとりで悩まずお気軽にご連絡下さい。

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13/04/2025

ご無沙汰しております!

桜の季節が来たのか過ぎたのか、洗車をする度に雨が降っている気がする今日この頃。確定申告も終え、当研究所は5周年に向けて新年度を歩み始めております。
ふと気がつけば、近年書いた記事が何件か消えてしまいましたが…あまり気にせず投稿して参ります。

さて、今年6月より事業所での熱中症対策が義務化されるようです。その内容は、労働安全衛生法の改正にて体制整備・手順書作成・関係者への教育周知という3本立てになっており、それを怠った場合には6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるとの情報です。
具体的には、「WBGT28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間以上の実施」が見込まれる活動を行う事業所が対象となりますが、活動強度や着衣装備の状況等によっては前述に該当しない活動内容や、その同一の現場で仕事を行う多職種の従事者も含めて対策を講じる事とされています。
体制や手順として重要視される項目は、①異常が認められる者(熱中症になりそうな者)を早期に発見、②暑熱活動からの早期離脱、③早期の身体冷却、④有効な休憩設備の利用、⑤躊躇ない医療機関への搬送であり、専門的な知見が要求される内容となっています。
特に、異常が認められる者が発生した場合の対応に関する教育については非常に重要とされ、熱中症基本対策要綱で示している熱中症予防管理者等の選任及び、各現場への周知徹底が求められています。
期日も迫っており、この4〜5月中に出来る限りのご依頼を受けるよう努めておりますが、ご予約は先着順となってしまう事をご容赦頂けますと幸いです。その内容としては、担当部署での手順書策定支援と1〜2時間の全体講習と皆様ほぼ同じご依頼ですので、正味“単日パック”で充分と思われます。まずは下記リンクのホームページより、無料メール相談にてお気軽にお問い合わせ下さい。

話は変わり、新社会人として、または新天地にて歩みを始めた皆さまの中には、この数週間で既に職場を辞めたくなっているという方々が相談案件に散見されております。医療業界の中でも例えば看護師の離職率は、新卒10.2%及び既卒16.6%(2023年病院看護実態調査)となっており、あくまで全国平均ですので離職率20%を超えているという病院の話も耳に届いております。これは実際に“辞めた”数値ですので、“辞めたい”の数値は一説では79.2%という調査データもあるようです。8割近くが辞めたいと思いながら仕事をしている臨床現場、これに違和感を覚えてしまうのは私だけでしょうか。
ところが逆に、「国家試験に合格しました」という報告と共に、明るく前向きな言葉で新たな職場からメッセージを届けてくれる方々もいます。看護師に限らず、すべての医療従事者を含めて共通している事は、「学習が楽しくなりました」と学生の時に話していた皆さんだという事です。学問への興味関心、難問への探求心、理解と納得の快感、そんな楽しさに目覚めた皆さんが臨床現場の残り2割の中で奮闘している、これもまた事実なのです。
国家試験合格率100%、医療従事者養成機関においてこの数値にも、一考すべき余地がまだあるのかも知れません。

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28/09/2024

大変ご無沙汰しております!

ようやく秋の風を感じられるようになった今日この頃、当研究所は今月で4周年を迎える事が出来ました。今期は447案件と130通のメール相談を頂きました。これからも皆さまへの感謝の気持ちを忘れずに、日々是精進して参ります。

さて、いま現在も各地で発生している災害事象、いわゆる複合災害には既存のマニュアル対応では備えとして弱い…というお話は以前の投稿でさせて頂きました。更に、BCPの策定に際してもマルチ・ハザード・アプローチという考え方がある…というお話も覚えていますでしょうか。
南海トラフ地震臨時情報が出された事もあり、9月1日の防災の日に向けて多くの事業所がマニュアルやBCPを見直しました。その成果もあって、訓練にも工夫と現実味が付加され、組織としての危機管理意識が高まっているというお声や、既に次回訓練に向けた具体的な課題のご相談等も耳に届き始めました。

が、しかし…。

最近、ポツリポツリと増えつつあるご相談が、じつは防災ではなく“防犯”についてのお話なのです。
防犯と一言でいっても様々で、いわゆる警備会社の施錠管理やカメラ監視もあれば、直接的な脅威となる建物への不法侵入者や街角での無差別テロなども含まれます。
私自身は、防犯について正直素人ですので、堅実に最寄りの警察窓口等にご相談してみる事をおすすめしていますが、確かに学校や病院での案件では話題として挙がる事もありました。これも広義の人命救助に当たるものと認識を改めて、今後の研究テーマとして追加しようと思います。
皆さんの事業所では、マニュアルやBCPに人的脅威や被害についての備えが盛り込まれていますか?

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