27/08/2026
熱中症から脳を守ろう。 2026年8月27日名張ケーブルテレビ録画
最近の異常気象による気温の上昇により、熱中症により亡くなる方が増えています。熱中症で救急搬送される件数は、5月から9月までの5ヶ月間に約10万人であり、そのうち1500人が死亡すると言われています。高齢者や小児の患者さんが多いのが知られています。熱中症は、重症度に応じて軽いものから熱疲労(夏バテ)、熱痙攣、熱射病に分類されます。
熱疲労(夏バテ)では、高温下での日常活動において皮膚、筋肉、脳などの血流量が増加し、心臓から送り出される血液量が足りない状態になります。更に、発汗(汗をかくこと)によって脱水状態が進行します。その結果、全身脱力感、全身倦怠感、めまい、吐き気、失神などが起こります。他覚初見としては、血圧低下、頻脈、皮膚蒼白となります。
対策としては、体を冷やし、水分と塩分を摂ることが大切です。
熱痙攣では、仕事などで多量の汗をかいて、水分摂取のみで塩分を補給しない場合に起こります。発汗によってナトリウムが体外に排出され、体内の塩分濃度に低下により筋肉の興奮性が高まり、痙攣が起こります。手足の痙攣にとどまる場合と全身痙攣になることもあり得ます。対策としては、水分の摂取とともに塩分を摂取することが大切です。スポーツドリンクを飲むことが手っ取り早い対処法です。体温が異常に高い状態では、手足の付け根の部分を氷で冷やすことも有効です。重症例では、点滴治療が必要ですので、すぐに医療機関を受診する必要があります。
熱射病は、熱中症の中で最も重症な状態です。体温が40度以上になることによって、脳の機能障害が起こります。症状としては、頭痛、めまい、嘔吐などの症状から始まり、手足が動かなくなる運動障害、錯乱など精神症状、意識障害などが起こります。痙攣や手足の不随意運動、脈が速くなる頻脈、重症例では発汗が停止し皮膚が乾燥します。更に病状が進行すれば、多臓器機能不全、肝不全、腎不全、心不全、呼吸機能不全などが同時に起こり、死亡につながります。よく報道されていますが、お年寄りが農作業中に倒れて発見が遅れた場合に熱射病となり、死亡することがあります。熱射病が疑われたら、まず全身を冷やすことと、すぐに救急車を呼んでいただく必要があります。
熱中症の予防の話をさせていただきます。
まずは、天気予報に注意して、高温警報が出た場合は、室内を涼しくして、外出を控えることが大切です。農作業や屋外でのスポーツは避けることが必要です。どうしても外出しなければならない場合は、早朝や夕方以降にします。屋内にいても、脱水は起こりますので、1日2リットル以上の水分補給と適宜塩分を摂取する事。睡眠不足、疲労が蓄積しないように休憩を取ること、下痢や感染症にかからないようにする事も大切です。
また、貧血や心疾患などの持病のある方は、熱中症にかかりやすいので、特に気をつけてください。
私のあるある体験
トラックの運転手の方が、長距離の運転後に大量の発汗とめまい、ふらつき、意識障害をきたして、救急搬送されました。熱射病かなと思って、頭部MRIを撮影したところ、脳梗塞が発見されました。熱射病が脳梗塞発症の誘因となったものと思われます。この例のように熱中症の中には、脳梗塞が隠れていますので、めまいやふらつき、意識障害などの症状がある場合は、MRI検査が必要です。
最後に熱中症から脳を守るためにできることを話します。
まずは、日頃から筋肉を鍛えることが大切です。筋肉は多量の血液を蓄え、第二の心臓とも言われますので、筋肉量を運動不足によって減らさないようにしてください。
夏の時期には、運動をしなくても1日2から2.5リットルの水分を補給し、適宜塩分を摂ること、塩飴でも結構です。
外気温が35度を超える日は、屋内を涼しくして、外出を避けること。
めまい、ふらつき、意識障害などの脳の症状があれば、躊躇せず医療機関を受診することが必要です。