29/04/2026
疲労のピーク時になる「ぎっくり腰」②
疲労のピーク時に起こる「ぎっくり腰」①を書いたので、今回は②について書きたいと思います。少し時間が経ってしまいましたが、ぎっくり腰が多かったのは3月でした。この春は寒暖差が強かったのか、ぎっくり腰の方は多かった印象です。
今回のケースは、ご自身で歩いて来院ができる、コルセットを巻けば動けるというぎっくり腰の方でした。
この方は、コルセットを巻いて動いてはいましたが、しゃがむことができませんでした。お仕事は休んではいませんでしたが、いつも通りの動きはできないとのことでした。
仰向けになることは可能でしたが(ぎっくり腰の方は仰向けになれない方も多い)、全身が疲労でパンパンに張っていました。
特に気になったのは、右の背中から腰にかけてが膨らみ、とても硬くなっていたことです。人は、膨らんで硬くなっている場所に目がいきやすいものです。実際、右側に強い緊張が見られたため、初見ではそこが原因のように感じられました。
しかし、ご本人は「左の方が痛い」とおっしゃっていました。
表面から触れても、左は右ほど明確な反応に触れることができず、判断に迷いました。そこで姿勢をいくつか変えながら確認し、最終的に仰向けの状態で腰部を触れた際に、深部に強いしこりのような硬さを見つけました。
そのポイントにしっかり鍼をすると、腰の硬さは一気に緩んでいきました。
とはいえ、慢性的な疲労の蓄積によって起こったぎっくり腰のため、全身が十分に緩むまでには数回の施術が必要でした。
しばらく通っていただき、ご本人が「これくらいで大丈夫」と感じられたところで施術は終了となりました。
見た目にわかりやすい張りや硬さが、必ずしも原因とは限りません。鍼灸で大切にされている「望聞問切(ぼうぶんもんせつ)」、観察し(望)、話を聞いて(聞)、質問し(問)、触れて確かめる(切)といった視点を大切にしながら、日々の臨床に向き合っていきたいと改めて感じた症例でした。