健康スポーツクリニック

健スポ院長通信No176について澁澤院長からあなたへ!  今回は「デュピュイトラン拘縮」についてです。  1. どんな病気?手のひらの皮膚の下にある「手掌腱膜」という組織が、異常に厚く硬くなり縮んでしまい、指が伸びにくくなる病気です。指を曲...
15/04/2026

健スポ院長通信No176について

澁澤院長からあなたへ!

今回は「デュピュイトラン拘縮」についてです。  
1. どんな病気?
手のひらの皮膚の下にある「手掌腱膜」という組織が、異常に厚く硬くなり縮んでしまい、指が伸びにくくなる病気です。指を曲げる「腱」そのものではありません。
2. 主な症状と進行
この病気は痛みがないことが多いため、放置されがちですが、数か月から数年かけてゆっくりと進行します。 
※特に薬指や小指に多く見られます。
• 初期: 手のひらに「しこり」や「くぼみ」ができます。
• 中期: しこりが上下に伸びて、太いひも状(索状物)になります。
• 後期: 指が手のひら側に曲がり、反対の手で引っ張っても伸びなくなります。
3. 原因と罹りやすい人
はっきりとした原因は解明されていませんが、以下のような方に多い傾向があります。
・高齢の男性 ・糖尿病を患っている方 ・飲酒・喫煙の習慣がある方
・家族に同じ病気の方がいる(遺伝的要因)
4. 治療のタイミングと方法
日常生活で「顔を洗うときに指が目に刺さりそうになる」「手袋がはめにくい」「ポケットに手を入れにくい」といった不便を感じたら治療の検討時期です。
治療法 特徴
酵素注射療法 固まった組織を溶かす注射治療で負担が少ないですが、2021年以降は薬剤供給中止となっており、現在アメリカでしか治療を受けられません。
針穿刺 針を使って皮膚の下で固まった組織を切ります。切っても再度繋がってしまうため、再発率は高い傾向にあります。
手術(腱膜切除術) 悪くなった組織を取り除きます。皮膚も硬いので皮弁を追加することもあります。再発のリスクが最も低い確実な方法です。
【アドバイス】
指が曲がった状態で長く放置すると、指の関節自体が固まってしまい、手術をしても完全には伸びなくなることがあります。早めの治療介入が大切です。

健スポ院長通信No175について澁澤院長からあなたへ!今回は「舟状骨骨折」についてです。1. 舟状骨とは?手首には8つの小さな骨(手根骨)が並んでいますが、その中で親指の付け根付近にある、船のような形をした骨が「舟状骨」です。骨折は若年層に...
10/03/2026

健スポ院長通信No175について

澁澤院長からあなたへ!

今回は「舟状骨骨折」についてです。
1. 舟状骨とは?
手首には8つの小さな骨(手根骨)が並んでいますが、その中で親指の付け根付近にある、船のような形をした骨が「舟状骨」です。骨折は若年層に来しやすい特徴があります。
2. 「厄介な骨折」と言われますが、なぜでしょうか?
• 見逃されやすい:転倒して手をついた際によく起こりますが、レントゲンを撮っても最初は骨折が写りにくいことがあります。小さい骨折で痛くても手首は動かせるため、本人も「ただの捻挫だろう」と放置してしまうケースが少なくありません。
• 非常に治りにくい:この骨は血行がもともとあまり良くなく、骨折が癒合しにくい部位で、骨折で血流が途絶えると、骨折部が動いてしまう偽関節になったり、骨がダメになり骨壊死するリスクがあります。治癒しないと最終的には変形関節症を引き起こします。
3. 診断
スナッフボックスと言われる部位が痛い場合にはこの骨折を積極的に疑います。レントゲンで舟状骨撮影という特殊な方法で撮影します。はっきりしない場合にはMRI検査が有効で、骨折の前段階の状態(骨挫傷)も診断できますので、治療期間を決める目安にできます。
4.治療法
保存療法(ギプス固定): ズレが小さい場合に行われます。親指を含めた広い範囲を固定する必要で、血流が悪いため6〜8週間という長期間の固定が求められることがあります。
手術療法: 最近では、ズレが小さくても早期に社会復帰やスポーツ復帰をするために、小さなネジ(スクリュー)で骨を固定する手術(右写真)が選択されることも多いです。ズレがある場合は手術が推奨されます。骨癒合が得られずに偽関節になってしまった場合は、自分の他の部位から骨を移植する手術が必要になることもあります。

健スポ院長通信No174澁澤院長からあなたへ!今回は「手関節TFCC損傷(Part2)」についてです。 <診断>まずは症状や発生時の状況を確認し、手首の回旋や尺屈(小指側への傾き)で痛みが誘発されるかなどを調べます。<画像検査>以下の検査を...
10/02/2026

健スポ院長通信No174

澁澤院長からあなたへ!
今回は「手関節TFCC損傷(Part2)」についてです。 
<診断>まずは症状や発生時の状況を確認し、手首の回旋や尺屈(小指側への傾き)で痛みが誘発されるかなどを調べます。
<画像検査>以下の検査を参考にします。
・X線(レントゲン):関節の変形などの形態、橈骨と尺骨の長さバランスなどを確認します。
・MRI検査:TFCCの損傷(断裂)の有無や部位・程度を評価するのに有効です。
・関節造影:造影剤を注入してTFCCの損傷部位を確認する方法もあります。
<治療>まずは手術をしない「保存治療」から始めるのが一般的です。
(1) 保存治療:損傷の程度が軽度から中度の場合や、発症初期に行われます。
・安静/外固定:手首の回旋や尺屈運動を制限するためのギプスまたはTFCC装具による固定を1〜3ヶ月間行い、患部の安静を保ちます。粘り強く継続することが良い結果を生みます。
・薬物療法:痛み応じた抗炎症薬(内服薬・湿布)の使用、ステロイド注射を行うこともあります。
・リハビリテーション:一定の固定期間後、手首の可動域訓練や筋力強化を段階的に行います。
(2) 手術治療:3ヶ月以上の保存治療を行っても症状が改善しない場合や、遠位橈尺関節の不安定性が強く出やすいTFCCの小窩部断裂などの場合に検討されます。
・関節鏡視下手術:小さな切開からカメラ(関節鏡)を入れ、損傷した靱帯を掃除(デブリードマン・リフレッシュ)したり、縫い合わせたり(縫合術)します。
・尺骨短縮術:尺骨が橈骨よりも相対的に長い場合などで尺骨を数ミリ短く骨切りすることで衝撃を緩和させて負荷を軽減する方法です。
★早期回復へのアドバイス★
手首の小指側の痛みの中での頻度は、尺側手根伸筋腱腱鞘炎が最も多く、TFCC損傷は名前が有名で言葉が一人歩きしている感があり、実は頻度は高くありません。ですがこれらを鑑別するのは一般整形外科でも難しく、症状が続く場合は、手外科専門医の診察を早期に受けましょう。TFCC損傷は放置すると慢性化しやすく、適切な時期に治療をしないと難治性になりかねません。適切な診断のもと、適切な装具固定を行って治癒を早めることが重要です。

健スポ通信No173澁澤院長からあなたへ!今回は「手関節のTFCC損傷(Part1)」についてです。 <TFCCとは?>手首の関節は、親指側の橈骨と小指側の尺骨、そして手根骨で構成されています。TFCC(Triangular Fibroca...
20/01/2026

健スポ通信No173

澁澤院長からあなたへ!

今回は「手関節のTFCC損傷(Part1)」についてです。
 
<TFCCとは?>
手首の関節は、親指側の橈骨と小指側の尺骨、そして手根骨で構成されています。TFCC(Triangular Fibrocartilage Complex)は三角線維軟骨複合体の略で、この橈骨と尺骨と手根骨の3つの間にある、靭帯と線維軟骨の複合体のことです(右図)。
<TFCCの主な役割は?>
①手首の安定性の保持:特に遠位橈尺関節を安定させ、手首の回旋(ひねる動き)をスムーズにします。
②衝撃の吸収と応力の伝達:手首にかかる力を分散し、衝撃を和らげるクッションのような役割をします。
※TFCCにダメージを受けて損傷すると、手首の小指側に痛みや不安定感が生じます。特に手首をひねる(回旋)動作で強い痛みを感じます。例えば、ドアノブを回す・タオルを絞る・重いものを持つ・キーボード操作や車のハンドル操作などです。また手首が抜けるような感覚(不安定感)や、動かす際にカクカク、またはポキッという有痛性クリック音を伴うこともあります。
<原因は?>
TFCC損傷は、主に外傷性と変性の2種類に分けられます。
📌 外傷性損傷
• 転倒:手をついて手首を強くひねったり、反らしたりした際の強い衝撃で生じます。
• スポーツ外傷:野球のバッティング、テニスやゴルフのスイング、体操など、手首に強い負荷や繰り返しひねる動作が加わることで生じます。
📌 変性損傷
• 加齢:組織が徐々に劣化し、自然にまたは小さな負荷で損傷しやすくなります。
• 尺骨突き上げ症候群:橈骨に比べて尺骨が相対的に長い(尺骨プラスバリアンス)場合に多く、手首を動かすたびに尺骨がTFCCにぶつかり、繰り返しダメージを与えることで生じます。
※次回はとしてTFCCの診断や治療について予定します。

健スポ通信No172澁澤院長からあなたへ!今回は「キーンベック病」についてです。○手首の中央にある月状骨(げつじょうこつ)という小さな骨の血行が悪くなり、骨が壊死して、徐々に変形・潰れていく疾患です。別名「月状骨軟化症」とも呼ばれます。明確...
08/12/2025

健スポ通信No172

澁澤院長からあなたへ!

今回は「キーンベック病」についてです。
○手首の中央にある月状骨(げつじょうこつ)という小さな骨の血行が悪くなり、骨が壊死して、徐々に変形・潰れていく疾患です。別名「月状骨軟化症」とも呼ばれます。
明確な原因は不明ですが、以下のような要因が関わっていると考えられています。
・手首への繰り返しの衝撃や負荷(職業的・スポーツなど青壮年期の男性に多い。)
・解剖学的要因として、前腕の骨である橈骨と尺骨の長さの不均衡(特に尺骨が短いタイプ)で月状骨にかかる圧力が大きくなることも考えられています。

・過去の手首の怪我・骨折の影響も稀にあります。
○初期は症状が軽いですが進行すると手首の中央あたりの痛み、手首の動きの制限、握力の低下、腫れなどの症状が現れます。
○診断はレントゲン検査をまず行い、変形が始まっている段階では硬化や変形、圧壊像を確認できますが初期では異常が見られないこともあり、この際にはMRI検査で初期の血行不全や骨壊死の状態を詳しく確認することができます。
○治療方針は疾患の進行度、症状の程度、年齢などによって異なります。放置すると進行し、関節全体に影響を及ぼすため、早期の専門的な治療が重要です。
・保存的治療は初期や症状が軽い場合に行います。ギプスやサポーターなどで手首を固定し、月状骨への負担を減らし、血行の改善を試みます。
・手術的治療は保存療法で改善しない場合や病期が進行している場合に考慮されます。
橈骨短縮骨切り術:月状骨への圧力を減らす手術であり、橈骨を数㎜切除して短くすることで、月状骨にかかる圧力を軽減し、血流の回復を促します。
血管柄付き骨移植:血行を再建する手術であり、血管を付けた骨を月状骨に移植し、骨内の血行を改善します。
月状骨摘出術:壊死が進んだ月状骨を摘出し、腱を丸めた腱球を挿入してクッションやスペーサーとするものです。

★キーンベック病は変形が進行する前に治療する必要があり、早期に手外科医の診察を受けることが重要です。

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