03/09/2026
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『聴診器からきこえる動物と老いとケアのはなし』
小菅正夫
中央法規
2025年
獣医師であり、旭川市旭山動物園の元園長である小菅正夫先生のエッセー。
入園者数の減少で廃園の危機に直面する中、次々と新たな取り組みを成功させ、2004年には月間有料入園者数日本一を達成した、その背景にある「動物と向き合う姿勢」が綴られている。
動物は生きるために食べ、命をつなぎ、そして静かに死んでいく。
動物園という場だからこそ必要となるケアがあり、
介護やケアに向きあう姿が、人間の高齢社会や家族、老いへの深い問いかけとなる。
カッコウの托卵、ゾウの出産と子育て、
「死」という概念を持つ動物の存在、
丸山動物園でのオオカミの看取り――
どのエピソードも、生命のありかたを映し出している。
動物を飼育し、健康診断を行い、
その動物らしく生きられるようにQLOを守ること。
食事、病気のときの介護、日々の観察。
動物専門員の方々が積み重ねている本気の対峙と苦労にも触れられる。
動物の気持ちを知ることはできない。
それでも、時間をかけて向き合っていく、
そんな姿が胸に残る一冊でした。
(E)
#黒川由紀子老年学研究所 #中央法規 #動物と老いとケアのはなし