10/09/2026
日本財団主催「知的障害者インクルージョン実践セミナー2026」に釘宮謙悟副理事長が登壇
次世代型入所施設を考える「どこで、誰と、どう暮らすか」を選べる社会へ 7月4日、日本財団主催の第3回「知的障害者インクルージョン実践セミナー2026」が開催されました。 講師は、欧州37か国の知的障害のある人とその家族を代表するInclusion Europeのミラン・シュヴェジェパ氏。その後のパネルディスカッションには、ミラン氏のほか、元厚生労働省障害者雇用対策課長の小野寺徳子氏、国立のぞみの園理事の古川慎治氏、博愛会から釘宮謙悟副理事長が登壇しました。 テーマは「脱施設化は本当に知的障害者と家族を救うのか」。4人の議論から、これからの入所施設を考えました。 「普通に暮らす」って、なんだろう。 ミラン氏が語ったのは、障害のある人も地域の中で「普通の暮らし」を送る権利があるということです。 友人に会う。仕事をする。好きな場所へ出かける。そして、人生を楽しむ。インクルージョンとは特別なことではなく、そんな日常そのものだといいます。 ヨーロッパでも、地域で暮らすための住まいやサービスの不足など、多くの課題があります。それでも実践しながら新しい選択肢をつくっていく。そして何より大切なのは「本人の話を聞くこと」。何が好きなのか、誰と一緒にいたいのか。本人を知り、その意思を暮らしや制度に反映していくことの大切さが語られました。 日本で積み重ねてきた地域移行。 古川氏からは、国立のぞみの園で20年以上携わってきた地域移行の実践が紹介されました。 グループホームへ移った人もいれば、故郷に戻り、家族とのつながりを取り戻しながら地域生活につながった人もいます。 地域移行の道筋は一人ひとり違う。大切なのは「施設を出ること」ではなく、本人がどこで誰とどう暮らしたいのか。そのことを長年の実践から語りました。 行政と家族、二つの立場から。 小野寺氏は、厚生労働省で34年間、障害者雇用をはじめとする労働施策に携わる一方、知的・発達障害のある子どもの親でもあります。 行政と家族、二つの立場から示されたのは、「こうあるべき」という一つの正解ではなく、本人が考え選択できる環境をつくること。制度や文化が違っても、「本人を中心に置く」という方向は共通していました。 次世代型入所施設という選択肢。 そして後半で釘宮副理事長が語ったのが、博愛会が取り組む「次世代型入所施設」です。 「地域生活か、入所施設か」という二者択一ではなく、その人の人生のステージや状況に応じて、暮らす場所を柔軟に選べることが大切だと考えています。 一方で、入所施設が生み出してきた「施設性」は変えていかなければなりません。 施設だからみんな同じ。安全のために外へ出ない。職員の都合に暮らしを合わせる。そんな「施設だから仕方ない」を、一つずつ見直していく。 博愛会では「やりたいことリスト」を通して、一人ひとりの希望を実現する取り組みを続けています。 自分で決める。やってみる。経験する。そして、また次のことを考える。 その積み重ねが、「自分はどう暮らしたいのか」を考え、選ぶことにつながります。 ヨーロッパと日本。地域生活と入所施設。違いはあっても、根っこにある問いは同じです。 そこに暮らす人が、自分の人生を選べているか。 施設性をできる限り小さくし、地域とつながり、自分らしい暮らしを選べる場所へ。 それが、博愛会が目指す「次世代型入所施設」です。
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