10/09/2026
"親があなたにしてくれたこと"ー3つの問いかけで世界が変わるー
「内観療法」入門より抜粋
笹野友寿(2020)あさ出版
p32
言葉では説明のしようがありませんが、集中内観をやり遂げた人の共通項として、以前より 落ち着き、大人になった雰囲気があるのです。言葉を変えれば、人格が成長するということでしょう。
p34
家庭の親子関係がいびつなまま続いていくと、子供が 本来は自分で解決すべき課題を乗り越えられない。周囲になじめず友好な人間関係を築いていく方法を知らない、と言った問題が発生してくるようです。
そこで集中内観では「親から覚悟してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の 3つのテーマを徹底して「調べ」ていきます。ちなみに「調べる」というのは内観の専門用語で、取り組むという意味に近いものです。
p36
集中内観によって、他者と打ち解けた関係を築く能力が身についているので、八方美人的・風見鶏的に反応することがなくなり、また相手の顔色をうかがってビクビクするようなことも少なくなるはずです。かりに、他人とのやりとりの中でトラブルが生じた場合でも、即座に軌道修正を行うなど、臨機応変に対応する能力も高まるでしょう。
p44
以前であれば腹が立ったこと、文句を言わずに気がすまなかったようなことを、軽く受け流せるようになります。そもそもそのようなことに意識が向かなくなり、どうでも良くなるのです。
自分は親から認められている、愛されているということに気付き始めると、安心感が芽生えて自信が付き、多少のことでは神経が揺らがなくなるからではないでしょうか。
p48
集中内観においては、心の中で思い出すだけではなく、その内的な体験を面接者に向かって語るという行為が付随してきます。声に出して他者に語るというその行為によって、頭の中だけで記憶を想起していたものが、いきいきとした感情をともなって再体験されるのです。
p49
日本人は昔から、語るという行為に特別な意味を感じていたようです。
内観 においても、この語るという プロセスが非常に重要な意味を持っています。心の中で、もやもやと形を持たなかった曖昧なものが、語るというプロセスを経ると、本人の中で明確な形を持つようになります。つまり、一線を超えるということでもあります。
語ることで、人は事実を事実として、言い逃れのできないものとして受け入れることができます。
p157
子供に不登校、引きこもり、非行などの問題が出た場合に、本人でなく親が内観することで状況が改善することもあります。「親が先に座るのが順序です」と吉本維新(内観療法の創始者)は言っています。
p159
親の子離れができると、子供は親から自然に離れられます。
親子関係の問題は、問題を引き起こしていると思われる子供だけにその原因を探るのではなく、親が内観することで解決できる場合があるのです。