21/08/2026
☆「シャバより刑務所の方がマシ」と、累犯者Aさんは言った。 ★大事なのは何度でもやり直しがきき、安心して行き詰まる地域の居場所がある、人のつながりがあること。
~「刑務所で当事者研究をやってみた ~対話実践とチーム処遇が扉を開く」を読んで。 (村上靖彦・向谷地生良 共著、医学書院・2026刊) ~ 〈対人支援の熟成〉 〇 〈以前、私は留置場の面会室で、見知らぬ30代の累犯男性と面接しました〉 忘れられない面接があります。 警察署(留置場)の面接室で、会ったことがない男性と格子戸越しに向かい あいました。 弁護士と検事の方からの依頼内容は、 “放浪して軽犯罪で逮捕され釈放される、を繰り返す男性に父親が迎えに来るので、一緒に帰るという諒解を取ってほしい“ でした。 実母は亡くなり、父は再婚。 検事・警察官・弁護士の願いは、〈検挙・微罪のため釈放・放浪〉の繰り返しは止めたい、でした。 許される面会は4回とのこと。男性のことをいろいろ聞きました。父親とも話す機会があり、男性に伝えました。 4回目の面接、父親と一緒に自宅へ帰る約束をしましたが、最後の最後になって、“父とは会いたくない。迎えに来るなと伝えてくれ!“ と大暴れしました。彼の内面の葛藤が爆発した感じでした。 一瞬考え、”僕からお父さんへは伝えません。明日、あなたから直接言ってください“ と返事しました。 私にできることは、限られていました。面接し、放浪の気持ちを聴くこと。心理検査に応えてもらうこと。親と会ってほしいと男性に伝えること。そうした記録を親に伝えること。 気心が通じ合う関係が生まれるかは自信ナシ。目線を合わせるしかない! どうなるか? と思いましたが、男性は父親に会い、車に乗り、すぐ美容室へ寄り、伸びたボサボサの髪をカットし、福祉課の聞き取りに応じ、福祉支援手続きをし、グループホームへ。 1週間後、予定通り?彼はGHから脱走しました。 〇 〈 「刑務所で当事者研究をやってみた(村上靖彦・向谷地生良 共著)」から引用 〉 本書は、刑務所での特別なケアを紹介したものではない。どんな場所でも中心に据えるべき「ケアの核心」 を示す貴重な手がかりとなる内容だと考えている。 (p.5) 当事者研究の基本中の基本は、その人が試行錯誤を始める第一歩を徹底して大事にする。 反省させるというところから、降りる。その人から学ぶものがたくさんあるんじゃないか、から始める。 結局、刑務所に戻らざるを得なかった。それに対する社会的責任から出発する必要がある。 人とのつながりを感じる具体的なポイントは、気心が通じあう、ではないか。気持ちが温まる経験をする。 安心とか信頼とか言うものの上にしか、(責任を担える土台つくり)そういう力は生まれてこない気がする。 依存症や統合失調症などの精神疾患を抱えると、自分でコントロールしようのない、周囲との深刻なトラブルを余儀なくされ、次のような 死 を体験する。社会死・家族死・肉体死。 当事者研究の研究法の最大の特徴は、①主観を重視し ②いまここでを軸に ③他者目線で眺めてみること。 Aさん(累犯犯罪者)の言葉~ 他者とのしがらみではなく、まず自分とのしがらみの問題。初めて言語化して、シェアできた。 一般の人とは違う生活をしてたな。荒れた生活をしてたな。ほんとにだめですね。 自分の登場。自分をよく見せたがると言うか、そういうところが自分の悪い癖なんですけど。 さらに自分の過去を振り返ることで、今まで考えることもなかった未来についても考えるようになった。 当事者研究を通して、声を出すこと、自分を表現することを学んだときに、どのように刑務所の秩序を維持するのか。もっと積極的には刑務所がどのような新しい組織構造へと組み替えていくのか、と言う課題が。 当事者研究の中に、規範・権力関係を持ち込まないことが重要になるだろう。 一人一人がケア的な意識と技術を持っていく変化は、社会復帰のためのケアの場へと刑務所を変えていく 大きな鍵となりました。 (p.166) Aさんの当事者研究卒業宣言。(2025年出所) 刑務所で当事者研究があれば、参加出来たら!協力したい! Aさんからの手紙に、“子どもを思う親の気持ちについて、教えてほしい” と奥田さんに聞いてみたい。...
~「刑務所で当事者研究をやってみた ~対話実践とチーム処遇が扉を開く」を読んで。 (村上靖彦・向谷地生…