11/06/2026
肩甲骨は本当に身体の後ろだけにあるのか?
木下式肩甲骨はがしが「前面」を重視する理由
肩甲骨と聞くと、多くの人は身体の後ろにある骨を思い浮かべると思います。
実際、肩甲骨はがしの施術も肩甲骨の内側へ指を入れることばかり注目されています。
しかし私は長年施術をしてきて思うのです。
本当に重要なのは肩甲骨の後ろなのでしょうか?
私は違うと考えています。
むしろ肩甲骨の動きを悪くしている原因は、身体の前面に隠れていることが多いのです。
肩甲骨は後ろだけの骨ではない
肩甲骨は背中側に見える骨です。
そのため多くの人が
「肩甲骨=背中」
と思っています。
しかし肩甲骨は背中だけの骨ではありません。
肩甲骨には前面にも重要な構造があります。
それが烏口突起です。
烏口突起は肩甲骨の前方へ飛び出した部分で、胸の筋肉である小胸筋が付着しています。
私はこの小胸筋こそが肩甲骨の動きを大きく左右していると考えています。
巻き肩が肩甲骨を動かなくする
肩甲骨が動かない人を見ると、多くの場合で巻き肩があります。
巻き肩になると小胸筋が短縮します。
すると肩甲骨は前方へ引っ張られます。
その結果、
・肩甲骨が外転しすぎる
・肩甲骨が前傾する
・肩甲骨の動きが制限される
という状態になります。
私は肩甲骨はがしで巻き肩を治しているわけではありません。
むしろ逆です。
巻き肩を改善することで肩甲骨が動きやすくなるのです。
考えてみれば当たり前のことです。
肩甲骨を前へ引っ張っている原因が残ったままでは、肩甲骨だけ動かしても十分な変化は得られません。
なぜ肩甲骨はがしが苦戦するのか
私は長年この業界を見てきました。
そして感じることがあります。
肩甲骨はがしで苦戦している人の多くは、肩甲骨そのものばかり見ているのです。
肩甲骨の内側へ指を入れる。
肩甲骨を持ち上げる。
肩甲骨を剥がそうとする。
もちろんそれも大切です。
しかし肩甲骨が動かなくなった原因を見落としてはいけません。
私は肩甲骨の前面にある小胸筋や烏口突起を重視しています。
そこを無視して肩甲骨だけを動かしても、本当の意味で肩甲骨が動きやすい状態にはならないと考えているからです。
胸郭出口症候群との関係
さらに小胸筋の下には重要な組織があります。
腕神経叢。
鎖骨下動脈。
鎖骨下静脈です。
これらが圧迫されることで起こる症状を胸郭出口症候群と呼びます。
肩や首の不調。
腕のだるさ。
手のしびれ。
こうした症状の背景に、小胸筋の影響が隠れていることもあります。
私は肩甲骨を見る時、肩甲骨だけを見ているわけではありません。
その周囲の筋肉や神経、血管との関係も見ています。
木下式肩甲骨はがしの考え方
木下式肩甲骨はがしは、肩甲骨の内側だけを見る施術ではありません。
内側。
外側。
上側。
そして前面。
肩甲骨全体を見ます。
肩甲骨を動かすことが目的ではありません。
肩甲骨が動ける環境を作ることが目的です。
そのため木下式肩甲骨はがしでは、肩甲骨の後ろだけではなく前面も重視しています。
肩甲骨は身体の後ろにある骨です。
しかし肩甲骨を本当に理解するためには、身体の前面も見なければならない。
それが私の考える木下式肩甲骨はがしです。
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執筆者プロフィール
木下友希(株式会社INBEX代表取締役)
2008年に国際東洋医療専門学校を卒業。同年5月、海南市のリラクゼーションサロン立ち上げに参画し、ストレッチ施術と肩甲骨はがしを導入。技術開発および運営に携わる。2013年7月7日に和歌山市でこりすっきり井辺店を開業。木下式肩甲骨はがしの考案者として、現在も施術・技術指導を行っている。